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10月, 2025の投稿を表示しています

宇陀オーガニックビレッジフェス2025開催

申し込みはこちらから! 度重なる全体会議を経て、とうとうチラシとポスターができました! 宇陀オーガニックビレッジフェス 副実行委員長 松田@ハンサムガーデンです。 先行して配布している宇陀オーガニックビレッジフェス通信やこのブログでたびたび紹介してきましたが、イベント全体を見渡せるチラシができたことで、ここまできた!さぁ、参加募集開始だ!と気合が入ります。  2025宇陀オーガニックビレッジフェスチラシ 申し込みフォーム どの企画もみんなで練りに練りにこねくり回して作り上げてきた企画です。冬の畑仕込みに忙しい中、毎週のように走り回り、会議、登壇依頼、予算の調整、チラシ、オーガニック通信の配布。 ぜひご参加を。フォローを。待ってます。宇陀で! 松田麻由子@ハンサムガーデンが書いた 農家紹介記事→ 就農15年目の農家が宇陀で貫く露地農業のスタイル 生田ゆき@ロート製薬が書いた 宇陀市学校給食の記事→ 「“つくって終わり”にしない。顔の見える給食で、地域と子どもをつなぐ。」 — 現場のキーマン辻さん × 管理栄養士・松生さん 宇陀オーガニックヴィレッジフェス副実行委員長 ハンサムガーデン農場長 松田麻由子 宇陀市に家族で移住して19年め。在宅勤務の夫と、 大学生から小学生まで4人のこどもの母+ウサギ・ネコと暮らす。 機械工学出身の農家7年目。土壌医2級土づくりマイスター。

こども園シリーズ-“ない”を武器に。園を越え、地域ぜんぶを教室にする食育への挑戦

  菟田野こども園インタビュー -菟田野こども園の特色を教えてください。 園長先生:令和2年に認定こども園として新しくこの場所にお引越しをし、スタートしました。園自体のスペースは限られていますが、だからこそ地域とつながる工夫を続けています。お隣に小学校がある立地も強みですし、 まちづくり協議会、民生委員、評議員さん などとジャンルを越えて関わる ことで、園内ではできない体験を社会に広げて実現 してきました。 写真:菟田野こども園園長の久保先生 「場所がない」だからこそ外へ出る。 学びの舞台を“地域全体”に拡張するのが、うちのやり方です。 ―― 食育の取り組みで印象的な事例は? 園長先生: “食べて終わり”にしない設計を大切 にしています。たとえばオープンスクール(地域に園を開く機会)では、子どもたちが育てたサツマイモをアレンジして“お店屋さん”として販売する模擬体験までやってみようと計画中。作って、食べて、さらにつくり手・売り手の視点まで踏み込むんです。 この発想の原点はかりんとう屋さんの見学でした。見学後、子どもたちが粘土で“かりんとう”を作って模擬販売までやってみたんです。すると、ただのお菓子が「誰かが作って売っているもの」として立ち上がる。子どもが家庭でその体験を語り、親子で実際の店を再訪する循環が生まれました。 ―― 生産者やお店との接点づくりが巧みですね。 園長先生:はい。 単に“材料として食材を取り入れる”のではなく、生産者・つくり手・販売の先のつながりまで一体感を持って体験させたい。 去年は地域のうどん店(橋本屋さん)を題材に発展させ、今年は地域の畑のサツマイモ×バターのシンプルなおいしさを“販売体験”まで含めてやる予定です。 ―― コロナ禍での変化は? 園長先生:クッキングなど“手を動かす食育”はしばらく止まっていました。特にここでは菜園スペースも限られているので、 「園内で作る」に固執せず、地域連携で体験値を補う 方向へシフトしました。 ―― 子どもたちの“食べる力”はいかがですか? 園長先生:よく食べます(笑)。この地域は同居世帯が多く、おじいちゃんおばあちゃんの畑の野菜が身近なんです。日頃から“土の匂いのする食材”に触れている実感が、好き嫌いの壁を下げていると感じます。さらに夏バテ知らず。食欲も落ちずにモリモリ食べ基礎体力も...

園の中に“山”がある保育園。火を囲み、土に触れ、野菜や命から想像力を育てる。~しらゆり保育園インタビュー~

宇陀市の私立「しらゆり保育園」は、園内に遊歩道で探検できる山、さらに釜土やピザ窯があり、自然保育を大切にしている「奈良県自然保育認証園」です。自然の中での遊びと、奈良や国産野菜にこだわった給食を軸に、子どもたちの“生きる力”を伸ばしています。毎日の「ラッキーにんじん」、調理員さんと園児が一緒に行う「給食放送」や「同席ランチ」など、園内のチームでつくる独自の食育が印象的でした。 園の概要と歩み 園長先生 「最初は一軒家で12名から始まりました。次に認可園、社会福祉法人を取得し、地域に密着した保育園を目指し日々子どもたちが自然の中で探求心、知的好奇心、五感の発達を養っていけるように体験活動を行っています。 「山を整備して、火を使った体験ができる場をつくりました。ピザ窯で焼いたり、釜でお米を炊いたり。まるで“園内キャンプ”です。」 写真:園庭の奥にある階段の先に広がる山!ぐるりと遊歩道になっていて、お山の上に釜土があります。 食材のこだわりと仕入れ 園長先生 「野菜は基本、国産。奈良のものがあれば優先しています。地元の八百屋さんが閉店してからは、私自身が仕入れに行っています。売る人・買う人の関係づくりは情報と学びの宝庫。『今日は淡路島の玉ねぎで甘みを味わってほしい』など、仕入れを自分で行うことで旬もいち早く察知できます。園児の“食べる体験”を設計する意識で選んでいます。 栄養士・笹岡先生 「仕入れは週2回(火・金が中心)。不足分は調理員が柔軟に買い足します。いただきものの野菜や季節の山菜も献立に取り入れて、まるごと“地域の旬”を学べるようにしています。」 自然と“火”のある食育 園長先生 山でフキを見つける→調理室へ『お願いします!』→佃煮やおかずに変身。それをもって山でお米を炊いてみんなで食べる。その喜びは格別です。釜でカレーをつくったり、火を囲んで食べる体験は、食への興味と“自分でやってみる力”を育てます。 子どもは決して有機野菜だから食べるというわけではない。だからこそ、色んな側面で食への興味や感動を子どもたちに提供し食への関心を高めています。 園内連携の仕掛け:毎日の「ラッキーにんじん」 栄養士・笹岡先生 「毎日、どこかのメニューに“ラッキーにんじん”を入れています。ハートや星など型抜きで忍ばせて、年長さんが調理員と一緒に『今日の給食放送』で発表。『見つ...

登壇者、ファシリテーターと創る「みんなで考える農と食」カレッジ

【企画を具体化する過程で】 企画が少しずつ具体化してきました。 今回のカレッジは、単なる講演ではなく、登壇者とオーディエンスが双方向に関わるトークセッション。だからこそ、ファシリテーションの設計や登壇者との息合わせが何より重要になります。たくさんの人を巻き込みながら、想いを感じながら企画を前に進めていきたい。 【人選に込めた想い】 登壇者を誰にお願いするか――ここに多くの時間を費やしました。生産者、販売者、消費者、行政...多様な主体が揃うからこそ意味がある。誰に登壇いただけば、この場が深まり、未来につながる対話が生まれるのか。実行委員会メンバーからもたくさんの視点とアイデアをいただき、ようやく各カレッジの登壇者が固まりつつあります。 その過程で、快く引き受けてくださった方もいれば、実行委員会メンバーの根気強いお誘いに「それなら」と応えてくださった方もいます。その一つひとつの想いに支えられていることに、感謝しかありません。 【当日に向けて】 今回の登壇は、誰かの“協力”だけでなく、それぞれが想いを持ち寄ってくれるからこそ成立するもの。だからこそ、その期待に応え、全員に「参加してよかった」と思っていただける場にしなければならないと、感じています。 委員会メンバーとの議論、登壇者との調整にはなかなか苦戦もしていますが、その中で対話を重ねながら意見をぶつけ合うことで、より良いものが生まれると考えています。 ここから、いよいよ当日の登壇者やファシリテーターを含めた運営メンバーで、企画の実装に向けてのすり合わせがスタートします。みんなの想いを知り、企画の形をより鮮明にしていくフェーズ。オーディエンスの充足する顔を思い浮かべながら、ぎりぎりまで粘り強く形にしていきます。 土井悠起(類農園) doi-y@rui.ne.jp 類農園に新しく立ち上がる施設の運用に携わっています。ご縁をいただき関わり始め、その虜にもなりつつある宇陀の地で、交流の場を育み、今回のオーガニックフェスの企画にも全力で取り組みます!

「“つくって終わり”にしない。顔の見える給食で、地域と子どもをつなぐ。」 — 現場のキーマン辻さん × 管理栄養士・松生さん

インタビュー|宇陀市 学校給食センター (写真:給食センターの皆さん) Q. 新しい給食センターになって1年。“ただの施設にしたくない”とは? 辻さん 「調理ラインを回すだけなら、規格のそろった食材が一番ラク。でも、それだと地域の野菜が入る余地がなくなる。だから委託業者さんとも腹を割って、“どうやったら地元を入れ込めるか”をこの1年、ずっと議論してきました。形が不揃いでも、切り方や仕込みの工夫で『使える』に変える。現場の知恵の積み重ねです」 Q. 地産地消率は46%。数字の裏側を教えてください。 松生さん 「献立は栄養価だけじゃ決めません。昨年の入荷や旬の波、農家さんの作付けから逆算します。ひとりでは難しい量も、10軒から少量を集めれば大きな力になる。今学期は46%まで来ました。現場の手ごたえは『50%、見えた』です 辻「数字は通過点。大事なのは農家—調理—子ども が顔でつながって“愛着”が循環することですね Q. 有機農業の野菜を取り入れる意義は? 辻 「“有機だから良い、慣行だからダメ”ではないんです。大切なのは**『誰が、どんな思いで作っているか』。実際、有機認証を取っていなくても、農薬を極力使わず工夫して栽培している農家さんはたくさんおられる。僕らは農法の違いで線を引かず、同じ地域の仲間として尊重しています」 ただ、有機栽培は 未来への投資 でもあります。子どもたちが食べる環境を守ること、農家さん自身の健康を守ることにもつながる。そういう想いを子どもたちに伝えながら『食べることは未来を選ぶこと』って感じてもらえたらと思っています Q. “顔の見える給食”は、どう現場を変えましたか? 松生さん 「私含めての管理栄養士は畑へ行き取材を行ったりしています。土の匂い、手間の話を聞くと、下処理や献立づくりにも熱がはいります。 辻さん 学校には農家さんをゲストに呼んだり、子どもたちからランチレターで感謝が返ってくるという企画も行っています。農家さんのお話や取材動画を見て『ピーマン嫌いだったけど食べられた!』って。作業が“使命”に変わる瞬間です きゅうりのトゲ、朝採れの香り。市場ものとの鮮度差を体で知ると、火入れや味の決め方も変わるんよ Q. それでも地域100%にはしない? “50/50”の理由は。 辻 「止めない給食が最優先。災害や不作もある。だから地元フ...

残食ゼロ~が日常になるまで

  大宇陀こども園インタビュー 「残食ゼロ」が日常になるまで はじめに かつて200名を超えた園児数は、いまは半分以下に。 現在は約80名、来年度は50名台へ――。人数は減っても、大宇陀こども園の園庭は、むしろにぎやかになっています。理由は、子どもたち自身が育てる小さな畑。 地元の園芸店さんや農家さんとつながり、季節の野菜が芽を出し、背を伸ばし、食卓へ届くまでを“まるごと”体験できる場があるからです。 その結果、調理員さんが驚く「残食ゼロ」の日も珍しくありません。野菜が苦手な子が、ピーマンをおかわりする――。そんな日常が生まれるまでの工夫を、園の先生と調理員さんに伺いました。 園の空気と“チーム”の強さ Q:園児数が減るなかで、いまの園ならではの良さは? 園長先生 :人数がコンパクトになった分、先生同士も子ども同士も距離が近い。行事も横断で取り組めて、チームワークの良さが園全体の温かさにつながっています。 Q:園庭の畑はどんなふうに? 園長先生 :園庭の一角に畑をつくり、年長さんを中心に水やりや観察、収穫まで担当します。今年は「自分が植えたい野菜」を子どもたちが選ぶ形にも挑戦。ミニトマトの世話から、玉ねぎ・じゃがいもの収穫まで、毎日の小さな変化が“学びの素材”です。 (写真:乳児さん用の畑。別に園児用の畑もありかなり本格的でした。) 地域とつながる“本物”の体験 Q:地域との連携は? 園長先生 :地元の園芸店さんや農家さんに教わりながら、畑づくりや収穫体験をしています。畑で玉ねぎを1個ずつ抜いたり、じゃがいもを掘って持ち帰ったり。おじいちゃん・おばあちゃん世代の知恵に触れる機会にもなっています。 Q:絵本と食育の行き来も? 園長先生 :「そらまめくんのベッド」「おおきなかぶ」など、お話に出てくる本物の野菜を見て、触れて、食べてみる。物語と現実がつながると、“食べてみたい”気持ちが自然に湧きます。 オーガニック×地産地消の導入と手応え Q:宇陀のオーガニック野菜を取り入れてみて、現場の負担は? 調理員さん :形の不揃いはありますが、朝の下処理体制を整えれば問題ありません。むしろ“味の濃さ”“色の冴え”ははっきり違います。とくに人参は風味が段違い。葉物もきれいで扱いやすい印象です。ネガティブな印象はゼロ。手間より“おいしい”が上回ります。 Q:子ども...

地域と園が“オールワン”。田んぼから食卓まで、みんなで育てる食育

  室生こども園 インタビュー 奈良県宇陀市・室生こども園では、園・地域・保護者・生産者が“オールワン”になって食育を推進。単に オーガニック野菜を使うだけでは、子供たちに本質は伝えれない。 もっと幅広いくくりでの食育に取り組んでいます。 田んぼでの田植え、園の畑しごと、地元農家さんのオーガニック野菜の給食活用、季節体験(キウイ収穫)など、暮らしに根ざした学びが年間を通して行われています。 「顔の見える地産地消」 が、子どもたちの“食べる力=生きる力”を育て、家庭の食卓にも笑顔の連鎖を生んでいます。園長先生に、その実践と地域力について伺いました。 写真左から:栄養士の池住先生、室生こども園園長先生 Q1. 室生こども園の子どもたちの“らしさ”は? 園長 :とても人懐っこくて素直。年長の男の子でも「抱っこして」と来てくれる子が多いんです。地域のみなさんもよく声をかけてくださるので、自然と関わりに開かれた雰囲気が育っています。 「地域が当たり前に子どもに関わる」。その空気感が子どもたちの素直さを支えています。 Q2. “地域とオールワン”の象徴的な取り組みは? 園長 :今年は地域のご厚意で、実際の田んぼで田植え体験ができました。泥に足を取られながら歩いたり、苗を植えたり。収穫も見学し、最後はおにぎりパーティーで“自分たちのお米”を味わいます。 園の裏手の畑も地域の方に教わりながら栽培。収穫したジャガイモやタマネギは給食で活用し、たくさん穫れた日はおすそ分けも。秋には園児の保護者さんがキウイ農家というご縁から、キウイ収穫体験を予定しています。 「園児と一緒にやりたい」と地域側からの申し出が多いのが室生らしさです。 Q3. オーガニック野菜の導入で変わったことは? 園長 :新しい食材に出会う機会が増え、食の世界が広がりました。週に数回はオーガニック野菜が給食に入ります。子どもたちは「今日のコロッケ、有機&自分たちでも堀ったジャガイモ?」など体験と給食がつながることで、食への興味が高まり、「食べてみよう」につながるんです。 写真:0歳児クラスさんももりもり!食欲旺盛です。 Q4. “楽しく食べる”ための工夫は? 園長 :絵本を通した食育やミニ・クッキング、配膳位置や日本の食事マナーの声かけ、「この野菜にはこんな力があるよ」と栄養の話もします。 目で見て、作って、味...