奮闘する若手農家がマルシェに込める想い
実行委員 (マルシェ担当) 田尻 恵士@サムズアップ農園 2025.09.09
「オーガニックビレッジ宣言」に伴って開催されることになった「オーガニックビレッジフェス」。その中で開かれるマルシェの企画・運営を任された、サムズアップ農園の田尻です。
全4回連載の今回は、このマルシェを成功させるために奮闘する私の物語を、少しだけお話しさせてください。奈良県立の農業大学校を卒業後、新規就農して早8年。私はただ美味しい野菜を作るだけでなく、農業を通して多くの人と出会い、話し、笑い合えるようなコミュニケーションを大切にしてきました。
地元イベント(うだ産フェスタ)では、若手農家が集まりお客様に直接野菜を販売する活動も積極的に行ってきました。そんな私に1本の電話がかかってきたのは、7月下旬でした。
【突然の電話、マルシェの依頼】
電話の主は、オーガニックビレッジフェスの副実行委員長を務める方でした。
「田尻くん、マルシェをやりたいんだけど、協力してくれないか?」
これまでのオーガニックビレッジフェスは、行政や法人が中心となって行われてきたイベントで、正直なところ、個人農家は少し蚊帳の外にいるように感じていました。しかし、今回のマルシェは若手農家が活躍できる場にしたい、という話を聞いて、私は協力したいと強く思いました。
最初は「お手伝い」くらいの気持ちでしたが、話が進むうちに「マルシェの取りまとめ役」を任されることになり、正直、不安でいっぱいでした。
しかし、法人や個人の垣根を越え、有機農業に取り組む全ての農家が一丸となるような、そんな大きなイベントにしたいという想いが湧いてきました。今までのイベントでは、個々の農家がそれぞれのブースで販売することはあっても、宇陀市内の農家が一堂に会するような機会はほとんどなかったのです。
【マルシェ成功の鍵は「仲間」】
マルシェの取りまとめ役を引き受けて、まず考えたのは「仲間集め」です。
マルシェの魅力は、協力してくれる農家と、そこに集まるバラエティ豊かな野菜にあります。そこで私は、これまで一緒にイベントを盛り上げてきた心強い仲間たちに声をかけました。私たち個人農家にとって、1日をイベントに費やすのは大きな負担です。それでも、彼らは快く「協力するよ!」と言ってくれました。次に、これまで知り合った頑張っている若手農家にも声をかけていきました。すると、予想以上に多くの農家が「手伝うよ!」と協力してくれることになったのです。
【野心、そして使命感】
多くの仲間が協力してくれることになり、私の中にひとつの野心が芽生えました。
「これは、法人も個人も関係なく、宇陀市内の頑張る農家が一堂に会する、特別なイベントにできるかもしれない。」
農家それぞれが誇りを持って野菜を作っている。その熱い想いを持った農家たちが集まれば、きっと今までにない、最高に面白いマルシェになるはずだと確信しました。
協力をお願いするのは、有機JAS認証の有無に関わらず、「自分が作った野菜に誇りを持ち、食べてくれる人のことを想って作っている」と私が心から思える農家さんたちです。果たして何人の農家が協力してくれるのか。どれだけの熱い想いが集まるのか。新規就農した頃からずっと、宇陀市内の農家さんは面白い人ばかりだな、もっと繋がれたらな、と思っていた私の8年間の活動が、今、結実しようとしています。
このマルシェを成功させるために、そして宇陀市の農業をもっと盛り上げるために、私の奮闘はまだ始まったばかりです。次回の記事では、いよいよ本格的な仲間集めと、マルシェの具体的な企画についてお話ししていきます。どうぞお楽しみに!
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