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9月, 2025の投稿を表示しています

マルシェ企画!ついにベールを脱ぐ!

生産者と食卓をつなぐ「さんとこマルシェ」 実行委員 (マルシェ担当) 田尻 恵士@サムズアップ農園 2025.09.30 名称に込めた生産者の情熱 連載第2回となる今回は、ついに決定したマルシェの名称についてお伝えします。その名もズバリ、 「さんとこマルシェ」 です。  この「さんとこ」という響き、皆さんはどう感じますか?これは、「○○さんとこの野菜が食べたい」「○○さんとこに食べてもらいたい」という、私たち農家とお客さん、お互いの顔が思い浮かぶような、温かいマルシェにしたいという想いから生まれました。誰かを思って作った野菜や、誰かが自分を思って作ってくれた野菜って、本当に格別に美味しく感じますよね。その繋がり、その温かさこそが、このマルシェの核となる部分だと僕は思っています。 宇陀市農家、夢のオールスターズ結集!  さて、そんな想いを形にする上で、何よりも大切なのが協力してくれる農家の仲間たちです。前回から多くの農家に声をかけてきた結果、驚くべきことに、個人・法人含めて宇陀市内の 20名近くの農家が協力 してくれることになりました。 これほど多くの農家が一堂に会し、一つのマルシェを作り上げるというのは、今まで宇陀市ではなかったことではないでしょうか。まさに夢のようなオールスターズの結集です。 会場には、彼らが誇る自慢の逸品が並びます。ほうれん草、小松菜、白菜、大根、蜂蜜、花苗、キウイフルーツ、さつまいも、チンゲン菜など、季節を彩る多種多様な農産物が集まります。農家たちの情熱と技術が詰まった、そんな野菜をあなたに食べてもらいたい。それが「さんとこマルシェ」の願いです。 「楽しい」がコンセプト!農業体験ができるエンタメブース  今回の「さんとこマルシェ」のコンセプトは、ズバリ「農家が楽しむ、お客さんと楽しむ」です。美味しい野菜を売るだけでなく、訪れる皆さんにもっと農業の面白さを知ってもらいたい。 そこで、マルシェブースの横にはエンタメブースを併設します。このブースは、農業の「楽しいところ」を体験してもらうための場所です。有機農業で使う自然素材や、普段見慣れない道具、野菜の栄養の源である堆肥などを通じて、野菜作りの楽しさ、農業の奥深さを肌で感じてほしいと思っています。 僕自身、これまで子どもたち向けの農業体験や授業を行ってきました。その経験から、このエンタメブースは、子...

オーガニック野菜・地産地消で広がる子どもの食育の可能性

「食べたい気持ち」を育む給食づくり 広報:生田 ゆき@ロート製薬 2025.09.17 宇陀市こども園 給食・食育担当 池住先生に聞く~オーガニック、地産地消の取り組み~ ――宇陀市の保育園では、地元のオーガニック野菜を取り入れた給食を提供していると伺いました。 池住先生: はい。ひと月に10日くらいの割合で、地元農家さんから届いた有機や地元野菜を給食に取り入れています。子どもたちにとっては「スーパーの野菜」だけでなく、「農家さんから届く特別な野菜」に出会える大切な機会です。色や形が珍しい野菜にも出会うことで、「ちょっと食べてみようかな」「これはどんな味なんだろう!?」という好奇心が育つんです。 ――ただ「食べさせる」のではなく、「食べたくなる気持ち」を総合的に引き出すのが食育なんですね。 池住先生: そうなんです。無理に「食べなさい」と言っても逆効果。むしろ、皮をむく体験や、年長さんがエンドウ豆のサヤをむいている姿を見て、小さい子が「お兄ちゃん、お姉ちゃんがむいたものをぼくも食べてみようかな」となる。単に有機野菜を使っているというだけではなく、 体験や人とのつながりを通じて総合的に子どもの食への好奇心を広げていく ことを大切にしています。 ――オーガニック野菜ならではの魅力はどんなところにありますか? 池住先生: 苦みやえぐみが少なく、やわらかくて食べやすいんです。例えば春菊を生で食べても大人が驚くほどおいしい。子どもにとっては「野菜ってこんなに甘いんだ」という体験になります。これは有機ならではの感動ですね。 ――地元農家さんとの連携も盛んだとか。 池住先生: はい。米は農家さんと年間契約で仕入れ、常に新鮮なものをいただいています。月に1回は有機米の日もありますよ。地元の農家さんでの畑での収穫体験も実施していますし、ポップコーン用のとうもろこしを育てる園もあります。子どもたちにとっては、 “どこで、誰が育てたか”が見える食材 が日常にあるのは本当に貴重です。 ――宇陀市全体で、子どもの「食べる力」を育てているのですね。 池住先生: ええ。食べることは生きることです。だからこそ「よく噛む」「残さず食べる」を大切にしています。頂いた命はこどもたちの身体に残る。食べることは尊く、たくさんの繋がりを感じれる。そういう感性を養ってほしいです。地域の農家さん、保護者...

苗と宇陀の未来を育てる、浦田さん

  こんにちは!編集長のくわたさなです! 今回は奈良県宇陀市榛原というところで活動されている浦田尚紀さんをQ&A方式でご紹介いたします! 私は実際に浦田さんを取材させていただいて、植物を育てる上での一番のスタートを担われており、そこに注ぐ熱意、成長意欲をとても感じました。 それでは、どうぞご覧ください! 苗と宇陀の未来を育てる、浦田さん 浦田さんは、奈良県宇陀市で先代から受け継いだ花と野菜の苗を育てています。お客様との繋がりを大切にしながら、より良い苗作りに励む浦田さんに、仕事への思いを語っていただきました。 Q. 苗屋として独立したきっかけを教えてください。 苗屋になったきっかけは、先代の父の影響です。幼い頃から家業である花と野菜の苗作りに触れ、自然とこの仕事に興味を持つようになりました。大学で農業の専門知識を学び、卒業後すぐに家業を継ぎました。 Q. 主な仕事内容とやりがいを教えてください。 主な仕事は、花と野菜の苗を育てることです。年間100万ポット以上を生産し、ホームセンターや専門業者に卸しています。 やりがいを感じるのは、お客様との繋がりです。店頭で直接お客様と話し、苗作りのアドバイスをしたり、お客様から直接感謝の言葉をいただくことも多いそうです。浦田さんは、お客様との信頼関係を大切にしながら、日々苗作りに励んでいます。 Q. 宇陀市で苗屋をすることの魅力は何ですか? 宇陀市は、盆地特有の昼夜の寒暖差が激しい気候で、花や野菜の苗を育てるのに適した土地です。その気候を活かして、丈夫で生命力の強い苗を生産できるのが宇陀の魅力です。 Q. 今後の展望について教えてください。 これからもお客様との繋がりを大切にし、より良い苗作りに励んでいきたいです。また、若い世代にもこの仕事の魅力を伝え、後継者の育成にも力を入れていき宇陀の未来を育んでいきたいです。 桑田 早菜(類農園) kuwata@rui.ne.jp 自然を通して人と繋がることに楽しさを感じ、3年前に農の世界へ。 実行委員会最年少として、宇陀に隠れた魅力ある人をこの広報を通して発信中。

元サラリーマンが語る、養蜂業の魅力と厳しさ

  こんにちは!編集長のくわたさなです! 今回は奈良県宇陀市全域で活動されている伊藤佑一さんをQ&A方式でご紹介いたします! 私は実際に伊藤さんを取材させていただいて、まずあまり知らなった「養蜂」というものを知り、養蜂家になるまでのとても狭き門を突破するストーリーを知ることができました。 それでは、どうぞご覧ください! 元サラリーマンが語る、養蜂業の魅力と厳しさ 東京で会社員として働いた後、養蜂家として独立した伊藤さんにインタビューを行いました。養蜂を始めたきっかけから、その仕事の魅力や厳しさ、そして今後の展望まで、幅広くお話を語っていただきました。 Q. 養蜂を始めたきっかけを教えてください。 東京で会社員として働いていたのですが、あまり仕事が自分に合わなくて。そんな時にハローワークで新規就農の支援事業があることを知りました。もともと牧場経営にも興味があったので、まずは初期費用が一番かからない養蜂から始めてみようと思ったのがきっかけです。たまたま養蜂の研修制度があったので、愛知県の一宮で5年間修業し、その後地元である宇陀市で独立しました。 Q. 養蜂の仕事内容と、その魅力について教えてください。 主に西洋ミツバチを育てて、ハチミツを採取しています。養蜂の仕事は、大きく分けて3つあります。まず、ハチミツを採取して販売すること。次に、イチゴ農家さんのように、花粉交配が必要な農家さんにミツバチを貸し出すこと。そして、ミツバチそのものを販売することです。 養蜂の魅力は、やはり大自然の中で仕事ができることですね。養蜂家は、ミツバチが花を求めて移動するので、季節の移り変わりを肌で感じることができます。ただ、自然が相手なので、天候に左右されることも多く、そこは難しい点でもあります。 Q. 養蜂を始めてから、大変だったことはありますか?  養蜂を始めてから、ミツバチにつくダニの薬が効かなくなり、薬物耐性を持ったダニが繁殖してしまったことがありました。その影響で、ミツバチが大量にいなくなってしまった時期は本当に大変でした。また、宇陀市ではスズメバチの被害を受けたり、北海道ではクマにハチ箱を襲われたりすることもあります。 一番大変なのは、収入が安定しないことです。ハチミツが採れない年は、どうしても収入が減ってしまいます。そのため、養蜂家の中には、ハチミツが採れない冬...

楽しさ★★★追求するネクスト農家、稲場さん

  こんにちは!編集長の くわたさな です! 今回は奈良県宇陀市菟田野稲戸で耕作されている稲場崇仁さんをQ&A方式でご紹介いたします! 私は実際に稲場さんを取材させていただいて、なぜそこまで農業に没頭できるのか?でも、その中で感じる農業の難しさも、実体験と合わせて赤裸々に話していただきました。この取材を通して農家のリアルが見えてきます それでは、どうぞご覧ください! 「楽しさ」を追求するネクスト農家、稲場さん 奈良県宇陀市で稲作と野菜の栽培を行う稲場さんにインタビューを行いました。小学校から農業一筋という稲場さんに農業の魅力と、これからの農業に対する想いについて語っていただきました。 Q. 農業を始めたきっかけを教えてください。 農業は、小学校2年生の時に始めたのがきっかけです。田んぼの管理やコンバインを動かすことを手伝ううちに、農業が楽しいと思うようになりました。そこから農業高校に進学し、農業大学で専門的に学びました。現在、宇陀市で米や野菜を育て始めて8年目になります。 Q. 農業のやりがいは何ですか? お客様に自分で作った野菜を食べて、「おいしい」と言ってもらえることが一番のやりがいです。特に、毎年丹精込めて育てているカボチャやマンガンジ、キュウリなどは、お客様からも好評です。 Q. 農業を続ける中で、大変だと感じたことはありますか? 農業は、収入が安定しないことが大変だと感じています。特に、作物の収穫量が天候に左右されることも多く、苦労することもあります。また、肥料や資材の価格が高騰していることも、経営を圧迫する要因の一つです。 Q. 宇陀市で農業をすることの魅力は何ですか? 宇陀市は、盆地特有の朝晩の寒暖差が激しい気候なので、野菜や米の栽培に適しています。その気候を活かした美味しい野菜を育てられるのが、宇陀の魅力です。また、宇陀市で栽培した農作物は、「大和高原野菜」として高い評価を得ており、ホテルのレストランや給食センターなど、様々な販路があります。 Q. 将来の目標について教えてください。 今後は、後継者の育成にも力を入れていきたいです。農業に興味を持つ若者が増えるよう、農業の魅力を発信していくとともに、安心して農業に取り組める環境を作っていきたいと考えています。 桑田 早菜(類農園) kuwata@rui.ne.jp 自然を通して人と繋がることに...

営農はコミュニケーションツール——元営業マンが語る、人を繋ぐ農業の魅力

  こんにちは!編集長の くわたさな です! 今回は奈良県宇陀市菟田野というところで活動されている田尻恵士さんをQ&A方式でご紹介いたします! 私は実際に田尻さんを取材させていただいて、農業というものを改めて考えさせられました。これからの農業のあり方、どうやったら地域を守っていけるのか、そのヒントがこの取材からだんだんと見えてくると思います。 それでは、どうぞご覧ください! 「農業はコミュニケーションツール」——元営業マンが語る、人を繋ぐ農業の魅力 元々、林業を家業とする家で育ち、家を継ぐことを決めて大阪から地元に戻ってきた田尻さん。農業を始めるきっかけや、彼が目指す「食べる農家」としてのこだわり、そして農業に対する情熱について、熱く語っていただきました。 Q.宇陀市に帰ってきた理由を教えてください 田尻さんは、大阪でコピー機のメンテナンスや営業の仕事を経験した後に、地元である宇陀市に戻って農業を始めました。宇陀市に戻ってきたのは、もともと家を継ぐという強い思いがあったからだと言います。 「僕が生まれたのがこの宇陀の菟田野っていうところ。家業は林業やったから、その林業を継ぐっていう意識がちっちゃい頃からあったんですよね。ただ、林業だけやと今の時代は難しいから、大阪で営業の仕事をしていました」 大阪で営業をしていた頃、奈良県宇陀市出身だと話すと、健康や食に興味を持つ顧客の反応が良かったそうです。そこで「農業って意外と反応が良いな」と感じたのが、農業を始めるきっかけの一つでした。 Q.「食べる農家」としてのこだわりを教えてください 田尻さんの農業の原点には、宇陀市で食べた「朝採りレタス」の感動がありました。 「大阪に住んでみて、親父が作っていた家庭菜園の野菜が意外とおいしかったんやって気づいたんです。でも、そこまで意識はしてなかった。で、ある日実家に帰ったときに食べた朝採りレタスがめちゃくちゃうまくて。『これ、なに?』って聞いたら、『宇陀の朝採りレタスやで』って。そのおいしさに感動して、農業もいいかもしれないって改めて思ったんです」 現在、田尻さんは年間20種類以上の野菜を栽培しています。その全てにおいて共通しているのが「食べる農家」という信念です。 「簡単に言えば、自分が食べたいものを作る。例えば、ペペロンチーノが食べたいと思ったら、ペペロンチーノの食材である...

生産者の力でつくるオーガニックビレッジ

 奮闘する若手農家がマルシェに込める想い 実行委員 (マルシェ担当) 田尻 恵士@サムズアップ農園 2025.09.09 「オーガニックビレッジ宣言」に伴って開催されることになった「オーガニックビレッジフェス」。その中で開かれるマルシェの企画・運営を任された、サムズアップ農園の田尻です。 全4回連載の今回は、このマルシェを成功させるために奮闘する私の物語を、少しだけお話しさせてください。奈良県立の農業大学校を卒業後、新規就農して早8年。私はただ美味しい野菜を作るだけでなく、農業を通して多くの人と出会い、話し、笑い合えるようなコミュニケーションを大切にしてきました。 地元イベント(うだ産フェスタ)では、若手農家が集まりお客様に直接野菜を販売する活動も積極的に行ってきました。そんな私に1本の電話がかかってきたのは、7月下旬でした。 【突然の電話、マルシェの依頼】 電話の主は、オーガニックビレッジフェスの副実行委員長を務める方でした。 「田尻くん、マルシェをやりたいんだけど、協力してくれないか?」 これまでのオーガニックビレッジフェスは、行政や法人が中心となって行われてきたイベントで、正直なところ、個人農家は少し蚊帳の外にいるように感じていました。しかし、今回のマルシェは若手農家が活躍できる場にしたい、という話を聞いて、私は協力したいと強く思いました。 最初は「お手伝い」くらいの気持ちでしたが、話が進むうちに「マルシェの取りまとめ役」を任されることになり、正直、不安でいっぱいでした。 しかし、法人や個人の垣根を越え、有機農業に取り組む全ての農家が一丸となるような、そんな大きなイベントにしたいという想いが湧いてきました。今までのイベントでは、個々の農家がそれぞれのブースで販売することはあっても、宇陀市内の農家が一堂に会するような機会はほとんどなかったのです。 【マルシェ成功の鍵は「仲間」】 マルシェの取りまとめ役を引き受けて、まず考えたのは「仲間集め」です。 マルシェの魅力は、協力してくれる農家と、そこに集まるバラエティ豊かな野菜にあります。そこで私は、これまで一緒にイベントを盛り上げてきた心強い仲間たちに声をかけました。私たち個人農家にとって、1日をイベントに費やすのは大きな負担です。それでも、彼らは快く「協力するよ!」と言ってくれました。次に、これまで知り合った...

みんなで考える農と食 ~カレッジへの挑戦  その1

 未来をつくる舞台を、宇陀から。 実行委員 :土井 悠起@㈱類設計室 2025.09.09 オーガニックビレッジフェス2025の企画をしています、実行委員の土井です。 今回私たちが企画しているのは、フェスの企画のひとつ「みんなで考える農と食」カレッジ。山口農園の山口さん、奈良未来デザインの吉村さんらと共に、議論と構想を重ねています。 【コンセプトは“ともに考える”】 この企画のコンセプトは、 ―多様なオーガニックの実践者と参加者が出会い、語り合い、未来を描く。 一方的な講演ではなく、これからの農やオーガニックのあり方をみんなで考え合い、学び合う土壌をつくること。そこから新たなネットワークが芽吹き、宇陀発のオーガニックの可能性が広がっていく。そんな未来像を思い描いています。 このテーマに対して、関わるのは宇陀で日々農業と向き合う生産者の方、店頭でオーガニックの魅力を語る販売員の方、それを手に取る消費者の方、さらに食卓に届ける飲食店の方など、本当に多様な主体。オーガニックを取り巻く、全ての人にとって「来てよかった」と思っていただける場にしたいと考えています。 【熱量に応えるために】 プログラムを形にする過程で、「どんな人がこの場を訪れ、何に価値を感じるのか?」という点を意識し続けています。多様な方に来ていただきたいという想いとともに、来場していただくかたそれぞれが何を求めるのかも、鮮明にして臨みたい。 そうした中身について、委員会メンバーと探り合う時間は、刺激そのものであると同時に、メンバーが放つ熱量を感じながら、その熱に応えていきたいと思っています。だからこそ私もまた、自分の言葉と企画で全力を注ぎたいと思います。 【宇陀から広がるムーブメント】 食、サステナブル、オーガニック ―いま世界が注目するテーマを、宇陀から。 このカレッジが、学びの場にとどまらず、農と食の未来をつくるムーブメントの起点の1つとなることを願っています。まずは企画者である私たちが火を灯し、そして最終的には参加者全員で炎を大きくしていきたい。 当日に向けて、さらにたくさんの方とともに、この企画を創り上げていきたいと思います。 土井悠起(類農園) doi-y@rui.ne.jp 類農園に新しく立ち上がる施設の運用に携わっています。 ご縁をいただき関わり始め、その虜にもなりつつある宇陀の地で、 ...

視点・農家から見るオーガニックビレッジ宇陀市

 オーガニック日本一目指す宇陀市 広報担当 :窪 一@NPO法人ハンサムガーデン 2025.09.03 I. 宇陀市オーガニックビレッジ構想と農家らが実行委員会をドライブする意義 宇陀市は2022年11月、 「オーガニックビレッジ宣言」(タップで外部リンクが開きます) を行い、農林水産省の「みどりの食料システム戦略」と連携し、生産から消費まで地域全体で有機農業を推進しています 。大和高原の冷涼な気候と豊かな自然は有機農業に適しており 1 、市は研修会、フードロス削減、加工品開発、販路支援、食育、特定農業振興ゾーン設定、農地集積、スマート農業導入検討等を通じて「日本一のオーガニック先進地域」を目指しています 。 事業3年目となる本年度、いつしか本事業へ定常的に関わってきた5つの農業経営体と宇陀のネクスト農家( *1) 1軒のスタッフ、そして宇陀市農林課がオーガニックビレッジ事業をドライブするようになってまいりました。これは宇陀で耕作する他産業からの参入農家ら共通の声として、営農資産を次の世代へ継承してゆく時のとまどい、その裏に5年、10年で次世代へ知見と営農環境を継承する仕組みとしてオーガニックビレッジが機能するのではないか。生産農家の積極的な事業への参加こそが、成果に近づき、持続性をもつのではないかという着想が参加農家全員にあったと思います。  我が国の農政は「みどりの食料システム戦略」を通して、環境保全と有機農業の推進を両立させる政策を打ち出して参りました。それは我々の町村、宇陀市からみると遠くに立ち上った狼煙のようなものでした。2050年という着地点に向けて、我々農家らが勝手ながらの解釈で自分たちの生存戦略を重ねてみると、他人事でなくなります。だから、今こそ、一人も取り残さず、共に夢を語ろうと集ったのです。 (*1)   宇陀若手の営農経験 10年未満 農家の呼称 II. 宇陀市の農業概況と農家を取り巻く環境の理解 宇陀市は奈良県面積の約6.7%を占め、大和高原に位置します。山林が74%、農地が8%ですが、冷涼な気候を活かした農業が盛んです 2 。ミズナ、コマツナ、ホウレンソウ等の軟弱野菜、有機野菜、花き、大和野菜が高収益作物として栽培され、肉用牛生産も盛んで、その堆肥は有機農業に活用され循環型農業を推進しています 1 。 有機農業は...