宇陀市・全国初のオーガニックビレッジが仕掛ける学びのフェス〜
取材 :広報担当 窪 一@NPO法人ハンサムガーデン 2025.11.05
僕らの農的な使命は何だろうか。野菜を米を届けるために畑に出る。長くそれをやってきながら、いつしか誰のためでもなく僕らは続けている。「丹精は難儀でしょう」と出会う人から、かばってもらうのだが、当人らは微笑みながら、さほどのことはないよと土に向き合う。そんな宇陀市の農家達が自ら立ち上げる学びのフェスが企画されている。
わが国で最初期に「オーガニックビレッジ宣言」を行った宇陀市が、その推進事業の中で「ワンデーカレッジ」として実現することになりました。起案者は、全員が農外からの参入者で、うち2名が現役の生産者です。彼らの企画方針を取材しました。
当日は以下の三つのテーマで交流・参加型のセッションが開催されます。
1限目 農で暮らすリアルを学べる
2限目 有機農業の魅力に気づく
3限目 未来へのビジョンを育む
●1限目 農で暮らすリアルを学べる
取材直前、1限目の登壇予定者である個人農家3名と農業法人雇用就農1名の計4名によるミーティングが開かれました。
「月間300時間は働く」「宇陀に魅力はあるのだろうか」「収入はともないにくいよな」――。
こうした小規模農家の厳しい現実がダイレクトに伝わる声に、企画に3年前から関わる山口貴義氏(有限会社山口農園 社長)は問いかけます。「リアルな苦労をダイレクトに聞かせることは、就農希望者の心をくじくことにならないか? 我々は、そこにあるはずの魅力の部分を引き出したいのではないか?」。会議は議論が白熱しました。
これに対し、起案者の一人、吉村寛氏(南都銀行グループ 奈良みらいデザイン(株) 部長)は、銀行勤務から自ら手を挙げて宇陀で就農参画した3年目の視点から語ります。「就農は農業だけがすべてじゃない。農業は半分、もう半分は違うことをやりながら農業をしてもいいのではないか」。
現業を知るべきだ、能動的に農業で成果を出す苦労を知るべきだ、と吉村氏。苦しみも喜びも含めたリアルな営みの先に、ノウハウは紡がれ、儲けるモデルが生まれる。それを次世代へ継承したい。
フェス当日は、厳しい実態と、登壇者たちがどのように課題を乗り越えたのか。それでも畑に向かう現役農家達と一緒に農業起業の魅力に迫ります。
●2限目 有機農業の魅力に気づく
〜「美味しいもの」への矜持と地域の連携〜
ワンデーカレッジ起案のとりまとめを担当した土井悠起氏(株式会社類設計室 事業戦略課)は、「宇陀の農業は都市に近いことから、昔から市場や農協に頼らず、自分たちで売ってゆく姿勢が、産品の品質と営農技術の研鑽につながってきたのだと思う」と語ります。**美味しいものを届けてみせるという宇陀農家の「矜持(きょうじ)」**を伝えたい、それが2限目のテーマです。
宇陀の有機農業を取り巻く人々のモチベーションは給食にも表れており、「全国学校給食甲子園決勝大会」で準優勝を2回獲得。地元野菜の自給率50%にまでなる農業との連携も魅力的な人々によって支えられています。当日は、その**当事者たちの取り組みと事業の「肝」**に迫ります。
●3限目 未来へのビジョンを育む
~何を我々は残したいのか ~
最後のセッションでは、グループに分かれて未来の夢を語る交流会を開催します。宇陀の有機農業が盛り上がる糸口はどこにあるのか。
企画に関わった3者は共通して、農業者はもちろん、役所、関係者の**熱量が「他のエリアとテンションが違う」**と口をそろえます。
★兼業農家の暮らし拠点を宇陀にもってみたい方。
★宇陀の優良農地に向き合い、営農事業を組み立ててみたい方。
★週末農業、親元就農組、研修生、企業の農業部門など多様なスタイル。
★農家の産品の販売に取り組んでみたい事業関連の方。
★生活者なんだけど、農業に興味ある方。
当日、このような方々と意見をくみ上げてゆきたいと考えております。
カレッジ参加の皆さんに加えて、販売関係者、宇陀市農林課、奈良県農林関連スタッフも参加し、宇陀の未来を共に描きます。
📅 開催概要
開催日: 11月22日 会場: 宇陀市かえでの里ひらら(場所についてはこちらをクリック)
▼ワンデーカレッジ事前申し込みリンク
是非、事前申し込みをお願いします!
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdI7aVKXlLRw0uxIFv_VuE-LvgqYoSllelxrdMVZeoZ5xloEQ/viewform
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